新年度開始

nekomakura2007-04-09

桜の季節も過ぎにけり
新年度が始まりたいへんあわただしい日々。
突然、部活のゼミ幹事を任されるようになったりして、それらの準備&新入生歓迎イベントでこの一週間はつぶれました。予定外の予定が闖入してくる季節です。


しかも、そんな中で自分用に政策系のイベントをメモするブログを始めてみようかと思案中。
忙しいときほどあれこれやってみたくなる性分は治りそうにない。




で、そのゼミ活動の一環で、「政策評価」と「法と経済学」について、一時間半ぐらいでイントロダクション程度の講義をもてないかどうかと考えているのだけれど、ふと、NIRA総合研究開発機構「NIRA公共政策セミナー」について思い出した。
政策系学部にいない自分に対して、公共政策の基礎論について幅広く教授してもらえる機会はないものか、と考えていた頃にググって見つけたものです。
当該ウェブサイトによると、その概要は

NIRA公共政策研究セミナー(NIRAセミナー)は、政策の分析や評価の基本を学び、これらの方法を実践的に修得する政策研究の導入セミナーです。公共政策の研究や分析を、理論的、学際的、実践的に進め問題を提起し、議論を展開できる人材を養成することを目的としたプログラム

だそう。詳細を見る限り、政策評価の手法からケーススタディまで公共政策にかかわる知的営為の主要な部分が教授されているみたいです。


公共政策関連の特殊法人・財団法人には得体のしれないものが少なくないんだけれど、NIRA総合研究開発機構法に定められた無く子も黙る「日本のシンクタンクの総元締め」だ。そのNIRAが提供していた「公共政策研究セミナー」だけれど、そこで講師を務める面々の豪華さはハンパない。2002年のものなんかは日本の政策科学分野をリードするような研究者が講義を行っていて、今後ともこれだけのメンツを集められる機会は無いだろうと思います。
そして、当該セミナーをはじめとするNIRAの出資母体はどこかといえば、「総合研究開発機構平成17事業年度決算等の概要」の賃借対照表を見れば分るとおり、その大半は日本国政府にほかならない。つまり、国民から徴収した租税が原資ということ。(財界等からの民間出資も行っているとはいえ、そのパーセンテージは0.5パーセント以下!)


もう何を言わんとするかは明らかだろうけれど、どうして、この講義内容をビデオに撮って自前のサーバーからでも、youtubeからでも流そうという「気概」が無いのだろうか。どうしてこれだけの面々が語るセミナーの報告がわずか10行足らずなのか、とほぞをかまずにはいられないわけです。
当日使用したレジュメも、受講の風景写真もない。租税を元にしながら、広く国民にその知的財産を開放することもなく、講師と出席者の記憶の薄らぐままに任されている。もしフリーでの映像配信さえ行えば、誰もがいつでも、政策評価や最新の政策に関わる理論的営為に触れることができ、「政権公約」や「マニフェスト」の内容が正しいのかどうか、興味をもった人々が判断する材料を提供することにもなる。
限られた数の「専門家」の育成に留まらず、膨大な数の知的素人を生み出し、公共政策研究を生涯教育の一ジャンルとするチャンスなのかもしれないのに。そういったチャンスを生かそうとする気概を、どうやら関係者は有していないようです。


あーあ、と溜息がでる。
こういうところがちゃんと成果物を公開していてくれれば、いまさらゲストスピーカーを捜したりする必要なんかない。「じゃあ、政策評価についてはNIRAのサイト見て自習しといてね」、といえば済んだのに。
MOTTAINAIなあ、と思わずにはいられない。
さて、どうしたものでしょうか。