時をかける少女とジブリ陰謀論

nekomakura2006-07-31

テアトル新宿にて細田守監督『時をかける少女』を観てまいりました。っというかもう少しで観れないところでした。
(以下、基本的に深刻なネタバレはないつもりですが、未見の方は気をつけてお読みください)


もう、人、人、人。
立ち見どころか次回上映まで待っても満杯なくらいお客さんが詰め掛けてまして、管理人も二時間待った末の鑑賞。
日曜日というのもあったのでしょうが、Yahooのユーザーレビューなんかでの評価が高いにもかかわらず都内ではここ一館。関東圏でも数箇所しか上映していないためお客さんが集中してしまうからだと考えられます。


評価をするなら星四つ。80/100点over!
近年映画館で鑑賞した映画のなかでも相当の良作。演出・作画・物語性、どれをとってもよく出来てます。プロの声優を起用してないとのことで最初は心配だったのですが、主人公の紺野真琴を演じた仲里依紗さんはまったく不自然さもなくむしろ「はまって」ましたし、あと「魔女おばさん」もとっても(・∀・)ヨカッタ。結婚してください。
あと作画のことなんて全くわかりませんが、日本の「夏」の風景がこれでもかと描かれています。電線、踏み切り、ごちゃごちゃした街並み、そして高架橋と夕日。人物よりむしろ背景のほうがリアルに描かれていたかもしれません。だからこそ、この映画にこれ以上の上映タイミングは無さそう。「夏にみたい映画」ランキングならNO.1です。
ちなみに原作とはかなり別物だけれど、「二代目」としてよく出来ている、と筒井康隆インタビュー(R25.jp)にもありました。でも筒井康隆好きにもかかわらず『時かけ』原作は未読。いい機会なのでそちらも読んで見たい。
あの終盤、夏の街並みを駆けてゆくシーンにいい年こいて感動してたのはここだけの秘密です。
安心して人に薦められる作品ですね。


にもかかわらず、こんなに上映館が少ないはなぜだろう?
低予算だから?配給の角川ヘラルドが頑張らなかったから?
こんな場末のブログは誰も読んでないと思うのでズバリ書いちゃいましょう。
ジブリです。『ゲド戦記』です。
間違いない。この陰謀を裏で糸ひくのはスタジオジブリ
ゲド戦記』の対抗馬を削ぐため、鈴木プロデューサーが劇場に「『時かけ』を上映するならウチのは配給しませんぜ。ええんか!?ええんやな!!?」と凄みを利かせたに違いありません。なんたって天下のスタジオジブリですから。
その結果、上映館は全国でわずか30館ほど。大ヒットする『ゲド戦記』の影で『時かけ』は制作費も回収できず、映画界から塵あくたのように消えてゆく・・・と。「細田ぁ?二度と業界におれんようにしたるわ!!」との高笑いが今にも聞えてきそうですが、夜道が怖いのでここらへんにしておきます。


今日のまとめ
で、あんまり映画と関係のない陰謀論はおいといて、いくつか気になった点を最後に。
まず、ストーリーのテンポはあまりよくなかったですね。編集の問題だと思いますが、クライマックスはもっと真琴と千昭の二人に絞って進めてもよかったのでは?
貞本義行センセの原画ももう少し丁寧になぞってほしかったなぁ。貞本目当てで観に行った面もあったので。
あと、パンフレット読んで声優陣の半分が平成生まれなことに愕然Σ (゚Д゚;)としたわけですが、ちょっと人によって上手い下手の差がありすぎたようにも感じました。


最後に物語の疑問点。これは管理人の読解力の無さによるものでしょうが、①なぜ千昭はあの絵を観たかったのだろう?さらに②真琴のタイムリープ残数が回復した理由がまったく「?」です。
誰がわかる方教えていただけると幸い。あ、もう一回観に行く?じゃあ、そういうことなんで、タイムリ〜プ!!!


※このエントリの一部はフィクションです。実在の人物・団体・名称とはいっさい関係がありません。鈴木さんはきっといい人です(笑)