国家公認ねるとんパーティーについて

nekomakura2006-05-19

少子化対策「お見合い国営で」
猪口担当相(朝日新聞)


正直に告白します。以前、このネタで笑いを取ったことがあります
んでもって、奈良県がはじめたときには「まあ、奈良だしね」と反応しました。奈良県だから仕方ないか、と・・・。


さて、今回、何を言ったらいいもんか・・・


きっと猪口先生は、素朴に単純に、いいアイデアだと思って提案したんだと思う。でも、やっぱり「それ、なんて統一教会」(by megumiyazaki氏)ってはなしです、先生(ノД`)

公共政策としての妥当性

そもそもお見合いというのは、恋愛(結婚)願望がありながら自由恋愛市場で相手を獲得できなかった(できない)方々のセーフティーネットなわけで*1。そこに政府予算をつぎ込むってことは恋愛(結婚)したい人への補助金を出しますってことに他ならない。


まず、それは、結婚したくない、結婚しない人生を選択する人にとっては「税金カエセ」といいたくなるような政策にほかならない。
しかも民業圧迫といわれないために、遂行は民間企業に事業委託という形を取ることになるだろう。「民にできることは民に」だ。で、外資系経理マンさんが予測されてますが、にウィニーで情報が流れる、と(笑)。また委託先が厚生省の新たな天下り先になりかねないんじゃないかな。


しかも、これで満足いく政策効果が出なかったときはどうするんだろう。多分、NewYorkTimesあたりに「日本政府、ねるとんに失敗 "Neruton Party" failed in Japan」みたいに茶化されてしまいだろう。平和国家日本をアピールするには最適かもしれないけれど。

政策の結末とブロガーの反応とか

これは冗談だけど、結婚してみたけどそりが合わなくて離婚することになったカップルが「こんな相手を推薦した政府は謝罪と賠償」って国家賠償訴訟を起こしたらどうするんだろうか*2。お見合いサービスの契約書には免責事項を書かなくちゃならなくなるし、逆にそんなものが書いてあるようなお見合いサービスに利用者が集まるとは考えにくい。集まったとしても、それは他の民間サービスでは目的を達成できなかった人達なんだろうし、つまり、そういう人達の「質」は当然・・・(以下、略)
それに将来生まれた子供が、自分の親は「国営」の見合いでしか結婚できない人間だと知ったときどう思うだろうか。自分が直接、国策によって生まれた、それがなければ生まれなかった存在だと、いつの日にか思い知る子供の心境を察してしまう*3


この記事についてコメントしているブログをめぐってみたけれど、否定的な方々は概ね「子育て環境の充実」、「子供を生み育てたくなるような社会」へむけての対策を求めているみたいだ。特に、すでに人の子の親になっているブロガーさんほど、そういう主張が多いように感じた。
多分、奇をてらった策よりも、もっと地道な政策を求めている人は少なくないんじゃないだろうか、と思う。


個人的には、「子供の数を社会制度にあわせるんじゃなくて、社会制度を子供の減少にあわせて改革してゆくべき」という、赤川学先生の考え方に賛成です。それは、より効率的な行政・社会制度を達成してゆく方向付けにもなるだろうから。
それに加えてキワドイ論点だけど、恋愛自由市場で恋愛→結婚ができない、という人は、そもそも他者にとって恋愛や結婚を望まれていない存在なわけで。いや、それでも諦めきれないんだ ( ゚Д゚)ゴルァ !といわれると「頑張ってください」としか返せないんですけれどもね。
これも「生暖かく見守るリスト」に登録しますた。


なお、画像はスズメバチさんより。クソワロタ。

*1:少なくとも現代日本にかぎっていうならば、ですが

*2:「痛いニュース」さんのまとめ済みスレを参照

*3:いや、もちろん、それだけでロマンチック・ラブ・イデオロギーが良いんだ、とは申しませんが